静岡県東部の中小企業向け補助金と融資制度を目的別に整理した記事のアイキャッチ画像

静岡県東部の中小企業向け補助金・融資制度まとめ

販路開拓やWeb活用、設備投資、DX、職場環境づくり、そして資金繰り。中小企業や個人事業主が使える制度は意外とたくさんありますが、種類が多くて迷いやすいものです。この記事では、目的別に「まずどれを見ればいいか」を整理します。

受付状況・申請期限・予算残額は変わることがあります。気になる制度が見つかったら、申請前に必ず各窓口・公募要領で最新情報をご確認ください。

目的から逆算すると、制度は選びやすくなる

「どの補助金が使えるか」を制度名から探すと大変です。先に「何をしたいか(販路開拓・設備投資・DX・職場環境など)」を決めてから、それに合う制度を見ると、ぐっと選びやすくなります。

中小企業や個人事業主の方にとって、補助金や融資は心強い味方ですが、種類が多く「結局どれが自分に合うのか」が分かりにくいのが正直なところだと思います。忙しい日々の中で、制度を一つひとつ調べるのは大変です。

そこでこの記事では、制度名から探すのではなく、「やりたいこと」から逆算して制度を見つける方法をご案内します。販路を広げたい、設備を新しくしたい、人を育てたい——そうした目的に沿って、関係しそうな制度を整理していきましょう。

  • 販路開拓・Web活用 → 小規模企業経営力向上、持続化補助金
  • 設備投資・DX → 収益力向上、IT導入、ものづくり
  • 職場環境・人材 → 市町の職場環境補助
  • 資金繰り → 市町の小口資金・短期経営改善資金

販路開拓・Web活用で確認したい制度

小規模事業者の販路開拓やWeb活用なら、静岡県の小規模企業経営力向上事業費補助金(上限50万円・補助率2/3)と、国の小規模事業者持続化補助金(上限50万円・補助率2/3)が代表的です。どちらも商工会・商工会議所が窓口になります。

事業者向け静岡県制度販路開拓設備投資申請前確認必須

小規模企業経営力向上事業費補助金

上限額
500,000円
受付状況
申請受付終了
実施機関
静岡県(経営支援課)
対象者
県内の小規模事業者(製造・建設・運輸・サービス20人以下、卸売・小売・サービス5人以下)。過去に経営革新計画承認・本補助金受給の事業者は原則対象外(物価高騰/賃上げ事業者は緩和)
対象経費
新たな需要開拓・生産性向上の取組(開発費、機械装置等費(ITソフト含む)、広報費、委託費ほか)
補助率
対象経費の2/3以内
申請タイミング
最寄りの商工会・商工会議所へ申請(事業着手前)
問い合わせ
静岡県 経済産業部 経営支援課(申請は最寄りの商工会・商工会議所) / 054-221-2807
締切メモ
申請受付終了。申請期限:2026-06-22
事業者向け国の制度販路開拓ホームページ制作

小規模事業者持続化補助金

上限額
通常枠50万円(各種特例による上乗せあり)
受付状況
受付開始前
補助率
2/3(特例・申請枠により異なる)
申請タイミング
所管地域の商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)の発行を依頼。発行受付締切は2026-12-04
問い合わせ
小規模事業者持続化補助金事務局/所管地域の商工会・商工会議所
締切メモ
受付開始前。申請期限:2026-12-15 17:00
対象者
小規模事業者等(商業・サービス業、宿泊業・娯楽業、製造業その他で従業員要件が異なる)
対象経費
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費等
最終確認 2026-07-23
第20回公募は2026年11月5日受付開始です。7月23日時点では受付開始前。申請締切は12月15日17:00、様式4の発行受付締切は12月4日です。

設備投資・DXで確認したい制度

設備投資やDX(IT・AI・IoT活用)には、静岡県の中小企業等収益力向上(賃上げ環境整備)事業費補助金、国のデジタル化・AI導入補助金、ものづくり補助金などがあります。県制度は通常枠・DX推進枠と賃上げ要件の有無で補助率・上限が変わるため、該当区分を確認してから計画を組み立てる必要があります。

事業者向け静岡県制度IT・DX導入新商品・新サービス開発

中小企業等収益力向上(賃上げ環境整備)事業費補助金

上限額
通常枠500万円(賃上げ要件700万円)/DX推進枠700万円(賃上げ要件1,000万円)
受付状況
第1次・第2次公募とも申請受付終了
実施機関
静岡県・公益財団法人静岡県産業振興財団
対象者
静岡県内に主たる事務所・事業所を有する中小企業者等。法人・組合等は県内本店、個人事業者は県内住所などの要件あり
対象経費
専門家謝金・旅費、原材料費、機械部品・工具器具費、機械装置費、委託・外注費、展示会出展費、広報費など。DX推進枠はデジタル技術を活用する取組が対象
補助率
通常要件は1/2以内。賃上げ要件を満たす場合は2/3以内
申請タイミング
GビズIDプライムを取得し、募集期間中にJグランツで電子申請
問い合わせ
中小企業等収益力向上(賃上げ環境整備)事業費補助金事務局 / 0570-056106
締切メモ
第1次は2026年5月15日17時、第2次は6月30日17時で受付終了。補助対象期間は原則2026年12月31日まで
最終確認 2026-07-24
令和8年度は第1次・第2次とも受付を終了しています。通常枠とDX推進枠で上限が異なり、賃上げ要件を満たす場合は補助率と上限が引き上げられます。
事業者向け国の制度IT・DX導入設備投資

デジタル化・AI導入補助金2026

上限額
通常枠5万円~450万円。インボイス枠等は別上限
受付状況
受付中
補助率
通常枠1/2以内(最低賃金近傍事業者は2/3以内)。申請枠により異なる
申請タイミング
GビズIDプライム取得、SECURITY ACTION宣言、IT導入支援事業者・登録ITツールの選定
問い合わせ
デジタル化・AI導入補助金2026事務局 / 0570-666-376/050-3133-3272
締切メモ
受付中。申請期限:4次締切:2026-08-25 17:00(以降は公式スケジュールを確認)
対象者
中小企業・小規模事業者等
対象経費
事務局に登録されたITツール(ソフトウェア、クラウド利用料、導入関連費等)。申請枠によりハードウェア等も対象
最終確認 2026-07-23
2026年3月30日10:00から受付中。確定している4次締切は8月25日17:00です。申請はIT導入支援事業者と共同で行います。
事業者向け国の制度設備投資新商品・新サービス開発

ものづくり補助金(第23次)

上限額
高付加価値化枠750万円~2,500万円(従業員規模別)、グローバル枠3,000万円。特例上乗せあり
受付状況
申請受付終了(第23次・採択結果待ち)
補助率
中小企業1/2、小規模企業・小規模事業者および再生事業者2/3(特例あり)
申請タイミング
GビズIDプライムを取得し、公募要領に沿って事業計画を作成
問い合わせ
ものづくり補助金事務局サポートセンター / 050-3821-7013
締切メモ
申請受付終了(第23次・採択結果待ち)。申請期限:2026-05-08 17:00
対象者
日本国内に補助事業の実施場所を有する中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、NPO法人、社会福祉法人等
対象経費
機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費等
最終確認 2026-07-23
第23次公募は2026年5月8日17:00で受付を終了しています。現在は採択結果待ちで、結果公表は2026年8月上旬頃の予定です。

資金繰り・融資は補助金と分けて考える

補助金(返済不要)と、融資・利子補給(借りて返す)は別物です。各市町には小口資金や短期経営改善資金といった制度融資があり、利率の一部を市町が補給してくれる場合があります。補助金は後払いが多いため、つなぎの資金として融資を併用する考え方もあります。

相談先と、聞いておきたいこと

制度を自分だけで判断するのは難しいものです。迷ったら、早めに窓口へ相談しましょう。

販路開拓や持続化系は商工会議所・商工会、設備投資や企業立地は市町の産業担当課、融資は取扱金融機関や信用保証協会が主な窓口です。

相談のときは、次のようなことを聞いておくと、必要な情報を引き出せます。

  • 自分の事業内容で、対象になりそうな制度はどれですか?
  • この制度は交付決定後に契約・購入すればよいですか?
  • 補助対象になる費用と、対象外になりやすい費用を教えてください
  • 補助金はいつ入金されますか。立て替え資金の準備は必要ですか?
  • 市町・県・国の制度を併用できますか?

対象になりやすいのはどんな事業者?

「自分は対象になるのだろうか」と不安に思う方は多いです。多くの事業者向け制度は、中小企業基本法上の中小企業者や個人事業主を対象にしています。

むしろ、従業員数の少ない小規模事業者向けに設計された制度(持続化補助金、静岡県の小規模企業経営力向上など)も多くあります。

一方で、開業からの年数、事業所の所在地、業種、町税等の納付状況などの要件が設けられていることがあります。「対象になりそうか」を確かめるには、制度の対象者欄を見て、自分の事業がそこに当てはまるかを確認するのが第一歩です。

判断に迷うときは、商工会議所や担当課に相談すれば、対象可否の見当をつけてもらえます。

知っておくと安心な、補助金の基本用語

補助金の説明には、見慣れない言葉が出てきます。よく使われる用語を、かみくだいて説明します。

  • 交付決定:申請が認められ、補助金を出すと正式に決まること。多くの制度で、この前に契約・購入すると対象外
  • 補助率:対象経費のうち、何割が支援されるか(例:2/3なら3分の2が補助)
  • 上限額:補助される金額の上限(補助率で計算した額が上限を超える場合は上限まで)
  • 対象経費:補助の対象になる費用。対象外の費用は自己負担
  • 実績報告:事業が終わったあと、内容や領収書を報告する手続き。これを経て金額が確定する
  • 精算払い(後払い):費用を先に支払い、あとから補助金を受け取る方式

そもそも補助金・助成金とは?基礎から整理

補助金や助成金は、国や自治体が、特定の目的のために費用の一部を支援してくれる制度です。原則として返済は不要ですが、「何にでも使えるお金」ではなく、対象となる取り組みや経費が決められています。

「補助金」と「助成金」は、厳密には使い分けられることもありますが、実務上はほぼ同じように扱われることが多いです。どちらも、申請して審査や要件確認を経て、対象と認められた費用の一部が支給されます。給付金のように、条件を満たせば一律で支給されるものもあります。

中小企業向けの補助金・融資に関する制度も、この基本は同じです。「誰が対象か」「何に使えるか」「いくらまで・何割まで支援されるか」「いつ申請するか」という4つの軸で見ていくと、制度の中身を整理しやすくなります。

最初は難しく感じても、この4つを順番に確認していけば、自分に関係する制度かどうかが見えてきます。

市町独自・静岡県・国、どれから見ればいい?

補助金が分かりにくく感じる大きな理由は、「市町・県・国」という出し手の違う制度が混ざっているからです。

まずは下の表で、3つの違いと「最初に確認するポイント」を整理してみてください。

種類向いている人代表例最初に確認するポイント
市町独自制度まず地元で使える制度を探したい方店舗改修、空き店舗、利子補給対象者・受付期間・申請前条件
静岡県制度設備投資・企業立地・経営改善を考える事業者小規模企業経営力向上、収益力向上、企業立地補助上限・対象経費・事前着手の可否
国制度広域で使える大型制度を確認したい方持続化補助金、IT導入、ものづくり公募回・締切・商工会議所の確認

迷ったら、まずお住まい・事業所のある市町の制度を確認し、足りなければ静岡県・国へと視野を広げるのがおすすめです。

1
市町独自制度

まず地元で使える制度を確認します。店舗改修、空き店舗、利子補給などが候補です。

2
静岡県制度

設備投資、企業立地、経営改善など、少し広い制度を確認します。

3
国制度

持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金など、全国共通の制度を確認します。

申請前に失敗しやすいポイント

補助金は、ちょっとした行き違いで対象外になってしまうことがあります。次の点に気をつけてください。

  • 交付決定の前に契約・発注・購入してしまう(多くの制度で対象外になります)
  • 見積書の宛名や日付が、申請内容と合っていない
  • 対象経費だと思っていた費用が、実は対象外だった
  • 受付終了や予算切れに、あとから気づく
  • 補助金の後払いを知らず、立て替え資金が不足する

担当課に相談する前に、整理しておくこと

補助金のことで担当課や商工会議所・商工会に相談するとき、いきなり「補助金を使えますか?」と聞くより、自分の状況を整理してから相談すると、対象になる制度を具体的に案内してもらいやすくなります。相談の前に、次のことをメモにまとめておきましょう。

  • 何をしたいのか(販路開拓・設備投資・創業、または住まい・移住など)
  • いつ契約・購入・工事・引越しの予定か
  • 見積書はあるか
  • すでに発注・契約・着工していないか
  • 事業所の所在地・業種、または世帯の状況

補助金を上手に使うための5つのコツ

最後に、補助金を上手に活用するためのコツを5つにまとめます。

目的から制度を探す

「設備を新しくしたい」「販路を広げたい」など、目的から探すと制度を選びやすくなります。

早めに相談する

商工会議所・商工会・市町の担当課に早めに相談すると、対象可否や申請のタイミングを確認できます。

契約は交付決定のあと

交付決定前の契約・発注・購入は対象外になることがあります。まず申請です。

後払いを前提に資金を準備する

補助金は事業実施後の入金が多いため、立て替え資金も考えておきます。

書類を正確にそろえる

見積書・請求書・領収書・実績報告書の日付や名義を確認します。

次にやること

使えそうな制度をいくつか絞ったら、商工会議所・商工会や市町の担当課に相談すると確実です。市町ごとの制度は診断や市町ページからも確認できます。

市町別に詳しく確認したい方へ

よくある質問

Q補助金と融資は何が違いますか?
A補助金は原則返済不要ですが、後払いで、対象経費や申請時期に条件があります。融資は借りたお金を返済しますが、必要なときに資金を確保できます。両方を組み合わせる事業者も多いです。
Q小さな会社・個人事業主でも対象になりますか?
A多くの制度が小規模事業者・個人事業主を対象にしています。むしろ小規模事業者向けに設計された制度(持続化補助金、小規模企業経営力向上など)もあります。
Qホームページ制作は補助対象になりますか?
A販路開拓や情報発信の目的があれば、持続化補助金などで対象になる場合があります。ただし会社案内だけでは対象になりにくいこともあるため、目的と対象経費を確認してください。
Q申請前に何を確認すればいいですか?
A申請前に、対象者、対象経費、申請時期、必要書類、審査の有無を確認してください。制度ごとに条件が異なるため、公式情報・公募要領・窓口で最新状況を確認することが大切です。
Qどこに相談すればいいですか?
A販路開拓・持続化系は商工会議所・商工会、設備投資や企業立地は市町の産業担当課、融資は取扱金融機関や信用保証協会が窓口です。